クリスマス恋語
No.3 sprint

僕と夏南は高校に入学したばかりの春、同じ陸上部に入部したことがきっかけで出会った。








僕は中学で少し成績を残していたおかげで名門と呼ばれる苺蘭(イチラン)学園に推薦入学することができた。








それは夏南も同じで。






そんな共通点からか、僕たちはよく一緒に練習するようになった。








夏南はどんなつらい練習でもずっと笑って陸上に取り組んでいた。







そんな彼女はすぐに部活内でも人気者になった。







努力家で、どんな時も明るくて、気が利いて…。







苺蘭学園には僕たちの他にも地方から数々の成績をおさめた選手がたくさんいて、中々結果を出すことができなくて悩んでいた僕なんかにも夏南は笑って背中を押してくれた。








「結果なんてそんなの二の次でしょ。
私はね、スタート前のあの緊張感、走り出して風を切る感覚、ゴールが見えたときめき…その全部を目一杯楽しみたいの!
それが陸上の醍醐味でしょう?」

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