契約恋愛~思い出に溺れて~
第2章

仕事と恋人


 それから日々は過ぎ、やがて達雄と出会って2年目の冬が来た。

私も達雄も、ずっと変わらなかった。
私はユウが好きで、達雄は綾乃ちゃんが好き。

それでも割り切った関係は続いていた。
割り切っていたからこそ、続いたのかも知れない。


「まさか紗彩がそんな事してるなんてね」


久しぶりにカフェで待ち合わせた渚に、契約恋愛の事を話すとそんな事を言われた。


「でもさ。そうやって上手くやっていけるんなら、結婚しちゃえばいいのに。
ぶっちゃけ、恋愛感情がなくたって、家族にはなれるんじゃないの?」

「渚、それはぶっちゃけ過ぎ」

「だって。自分で子供生んでみて分かったけどさー。
二人でも大変だもん。良く紗彩は一人で育ててるなって感心する」

「親が同居だからやれるのよ」


渚は、結婚後すぐ妊娠して、今ではもうすぐ1歳になる女の子のママになっている。
今日はパパさんに子守りを任せてきたらしい。


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