生意気な彼は御曹司!?
6.ヘリコプターで……

「先輩って高い場所は苦手?」

向かいのシートに座っている斉藤くんは長い足を優雅に組むと、私に尋ねる。

「高い場所は大丈夫だけど……どうしてそんなことを聞くの?」

「これからヘリコプターに乗るから」

「ヘ、ヘリコプター!?」

聞き慣れない単語に驚き、そして何故、ヘリコプターに乗らなければならなのか理由がわからない。驚きつつ斉藤くんを見つめると、余裕の笑みを返された。

「ヘリコプターに乗るのは、先輩と一緒に綺麗な夜景を見たいから。それより先輩?」

「何?」

「もしかして、清水部長とケンカした?」

「えっ?」

斉藤くんの衝撃的な言葉を聞き、呆然としてしまう。

私と圭吾さんが付き合っていることは、誰にも打ち明けていない。それなのに、どうしてそのことを斉藤くんが知っているの?

「斉藤くんが何を言っているのかわからないけど、私と清水部長は……」

平然を装いながら、清水部長とは何の関係もない、と言おうとした矢先、斉藤くんは私の言葉を遮った。

「とぼけなくていいですよ。もしかして清水部長がバツイチだって知っちゃいましたか?」

「……!?」

どうして斉藤くんがそのことを知っているの? そして、このリムジンにヘリポートって、いったいどういうことなの?

何もかもがわからない私は、金魚のように口をパクパクさせるばかり。そんな慌てふためく私を見た斉藤くんは、声を上げて笑い出した。

「プッ! 先輩、かわいすぎるから!」

完全にからわかれているっ!

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