会いたい
揺らぐ

 そして土曜。
 高木さんが私を連れていってくれたのは、駅前の通りを一つ外れた静かなレストランだった。
 落ち着いた感じのいい店だと思った。
 明るすぎない照明。
 静かに流れるクラシック。
 高木さんに合っている。

「すごく感じのいい店ですね」

「気に入っていただけてけて嬉しいです。前に一度連れてきてもらった時、俺も気に入って、また来たいと思ってたんです」

 嬉しそうに高木さんは笑った。
 それを見て、私も笑った。
 この人は、とてもいい人だ。
 素敵で、優しい。
 好きになったら、きっと幸せにしてくれるだろう。
 浮気もしそうにないし。
 笑って話をしながら、私は心の中で高木さんを自分なりに分析していた。

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