これを運命とするならば
3. ツァラトゥストラはかく語りき





この人は常にこんな調子だから
だから最初は気づかなかった

あの金色の瞳に隠された影に―――…










抱き抱えられたまま連れて行かれた先は役員室が並ぶ我が社の最上階。
その一角に三柴専務の役員室もあり、真新しい名札がドアに掲げられていた。


部屋に入るとようやく解放され、ゆっくりとソファに下ろされる。



「案外軽いもんだな。これから毎日こうやって一緒に出勤しようか?」


そう言いながら一人で楽しそうに笑う専務を恨めしげな視線で見つめれば、またクツリと笑った。





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