セックス·フレンド【完結】
20
西村君にすべてを吐き出してから、あたしの心境に変化が訪れたのは確かだった。


以前より、気持ちが落ち着いたし、現実を受け止めつつもあった。


でも、だからといって、隆也を愛する気持ちがなくなったわけではない。


むしろ、失ってからは余計にどれだけ彼に依存していたかを思い知ったし、大切な人であることも変わらない。


ただ…。


泣いても悔やんでも、もう遅い。


どんなにわめこうが、地団駄ふもうが、時間は戻らない。


隆也があたしを見切ったように、あたしも前に進むしかない。あたしなりのやり方で。


そう思うようになった。


例え、そのやり方が正しくなかろうと、結果、自身の首を絞めることになったとしても…。
< 281 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop