遠吠えクラブ
【第七章】 ガレージルーム
 ガレージルームで踏み台に登り、高い棚の上に置いてあった花瓶を取り出そうとして、美夏は激しいめまいに襲われて踏み台から崩れ落ちた。

 さっき薔薇でひっかいた指先が、なんだかじんじんする…。

 こんなひどいめまいは初めてだ。
 天井がぐるぐるまわって、気持ち悪い。吐き気がしそうだ。

 聡さんを呼ばなければ。

 でも声が出ない。
 落ちた時にスイッチに触れたらしく、電気も消えてドアも閉まって、真っ暗だった。

 あの薔薇になにか塗ってあったんだ。

 あのショートカットのきれいな人。昔、聡さんとなにかあったってすぐにわかった。
 聡さんはすぐ顔に出るから。

 ああでもこんなことまでするなんて、まだ聡さんのことが好きなのかな…。
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