囚われジョーカー【完】
最終幕

━genuinely━




あれから2日。
その日のバイトは半端じゃないほど忙しかった。


喫茶店がここまで忙しくなるなんてこと今までになかったから、遊びに来た明日香さんにも急遽臨時バイトを叔父さんがお願いしたくらいだ。




恐らく、お客さんの殆どが質の良いスーツを身に纏っていたから近くの会社の人達だろうけど。


どうして?そんな疑問を抱き、答えが見つかるなんてことはなく。ただひたすら働いた。




――――それに、倍に忙しかったのには理由があって。



「あ゙ー!終わったあ。」

「お疲れ様です、明日香さん。」

「あ、お疲れ菫ちゃん。」



スタッフルームにて、パイプ椅子に盛大に腰掛ける明日香さん。


珈琲飲みますか、と聞けば元気良く「飲む!」と返ってきたから少し笑ってしまった。




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