もらう愛=捧げる愛
監禁
翌日、朝。


事務所に入ると、いつもに増して騒がしい。


あちこちの机でヒソヒソと小声で話をする職員達に、胸騒ぎを覚えた。


もしかして…。


あたしと多田さんの事…!


「ちょっと、初音!」


「あ、友莉!ねぇ、この騒ぎ…」


「大変だよっ!星野課長が交通事故だって!」


───え…。


「え…?」


「単独事故だったらしいんだけどね、なんでも車に細工されてたかもしれないとかで、朝イチで警察の人が…」


「怪我は!?どこの病院!?」


「初音、落ち着いて。今騒ぐと課長と初音の事も…。だから、ね?」


「う、うん…」


「怪我は右足の骨折、病院はウチの503号室。仕事終わってからゆっくり様子見に行く事。今は警察の人もウロついてるし、今すぐ会いたいのはわかるけど、こらえるんだよ?」


「うん…」
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