ハレゾラ
素直になれない心

あの後の私はと言うと……。
かなりの勢いで飲んでしまい、途中からの記憶がまったくない……。


何故かって?


だって、今私は自分のベットの上にいるからだ。
お酒はかなり強いほう。いつもなら、酔ってもこんな状態になることはない
んだけれど。


と言う事は……彼が一緒だったから?
 

かなり痛む頭を擦りながらテーブルの上に目線を落とすと、小さな紙が置いて
あるのに気づいた。


『咲さん、僕だって男なんですよ? いきなり可愛い顔して寝ちゃうなんて
 ……拷問です。今日は何もしなかったけど、今度こんな事があったら……
 覚悟してくださいね! おやすみ』


「あちゃ~。何やってんだろ、私」


頭を抱え、枕に顔を埋めた。


30過ぎの女が20代の年下イケメンくんに迷惑をかけてしまった……らしい。
私、寝ちゃったんだ。そんな私を、彼はちゃんと家まで送り届けてくれた。
いくら私が女だと言っても、寝ている人間を運ぶのは大変だったろう。
申し訳ない気持ちが膨れていく一方で、なぜか胸の奥がキュンッとしていた。
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