愛★ヴォイス
【未知】ナルトビラ
過春のあらすじはこうだった。

男子高に通う仲良し6人組。
その内の一人で主人公の宮野つばさが、卒業式に差出人不明のラブレターを受け取るところから物語は始まる。
10年後、同窓会の知らせを受けたつばさは、ラブレターの差出人を探そうと決意するのだが――。


この仲良し6人組の一人が、塩麹玉子、ひいては桐原さんが演じる本村要だ。

ブックレットに載っている本村要の姿が、緩いパーマの長髪に銀縁のメガネと、どことなく桐原さんに似ているのが面白い。

豪華声優陣の中にあって、このキャラクターに抜擢されたのは、もしかしたらそのキャラクターに似た風貌に依るところもあったかもしれない。


インストールが終了し、さっそく“ゲーム開始”をクリックする。



10年後に再会した要は、新宿二丁目のゲイバーで、オネェ言葉を操るウェイターになっていた。
高校時代、銀縁メガネが似合う秀才だった彼とのギャップにつばさは動揺する。
しかしゲイバーに勤めているという告白が、つばさの疑念を募らせ、店にまで押し掛けてしまう。
「差出人は自分ではない」と繰り返す要に、食い下がるつばさ。
二度と来るなと言われた翌日、つばさは雨の中店の前で要を待ち続ける。
見かねた要は、つばさの手を引き自宅へと向かい――。


〈「ダメよ、つばさちゃん。もう店には来ないでって言ったでしょ?あそこはゲイバーなんだから」〉


ゲーム開始から1時間弱。

登場からここまで、本村要の台詞は全てこのオネェ言葉。

サンプルボイスに騙された気がして、どうにも気持ちがやきもきしてくる。


〈そう言って要は、日なたの香りがするタオルで、滴がしたたる僕の髪を拭った。〉

〈「さ、早く熱いシャワーをあびてらっしゃい」〉
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