甘い棘 【密フェチ】
【甘い棘】


誰もいないうちに仕事を進めようと、普段より1時間早く出社した私は、先客の姿に驚いて足を止めた。



「おー、早いな」

そこにいたのは大柄な男。
彼は立ったままその長身を屈めて、パソコンを操作していた。


「まだ誰もいないと思ってたのに、驚きました。早いですね」

「いや、こっちは徹夜。帰る前にデータ整理しようと思ってさ」


(なるほど)

少し疲れた横顔。シワのよった白いシャツに緩めたネクタイ。気怠い雰囲気。
徹夜明けの男は、なぜかやたらセクシーだ。



(あれ。この人ってこんな顔してたっけ?)

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