114歳の美女
4話 見える証
 村島吉のは自分の部屋に、長男の嫁のしのぶを呼んだ。


 しのぶは義母から何を言われるのか、どきどきしながら部屋を訪ねた。


 「お義母さん、しのぶです」
 「お入り」

 「何か・・・」


 しのぶは吉のの胸の内を早く知りたかった。

 「まあ、おぶでもお上がりやす」

 吉のがしのぶの前に、緑茶の入った湯のみを差し出した。

 「ありがとうございます」

 しのぶはお茶をすすりながら、何か失敗をしなかったか、思いを巡らせていた。



 「話とは、ときはんの事どす」



 「えっ、ときさんのお話なんですか・・・」


 「そうや。驚かんように聞きなはれ」



 そう言って、吉のは姑 松から言われた驚愕の内容を、掻い摘んでしのぶに話し始めた。







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