愛★ヴォイス
シノビヨル【影】
とりあえず10巻までを抱えてレジに持って行くと、レジの中にも同様に『ビリケン!』が積んであって驚いた。


(すごい人気……)


この作品に桐原さんが関わる――そう思うと、何故かこちらまで緊張してしまった。



しかし驚きはそこで収まらなかった。



第3話から登場する、桐原さんが演じる赤道周は、主人公:白羽光穿(しらはね・こうが)を凌ぐ人気キャラクターだったのだ!


それは、第10巻の巻末に設けられた“ビリケン!キャラクター人気投票結果”のページで明らかになった。



赤道周は、堂々の人気第1位だったのである。



慌ててネットで検索してみる。


第10巻で墨染蘇芳・環(すみぞめ・すおう、たまき)兄弟が登場してからは、その人気を分け合っているようだが、それにしても赤道周が注目キャラクターであることに変わりなかった。


赤×白とか黒×赤とか赤総受けオンリーとか、よくわからない言葉も合わせて、ネット上でもビリケン人気の盛り上がりは相当なものだった。



『ビリケン!』とはビリヤード研究部の略。幼い頃に母を亡くし、まもなく父の手によって施設に預けられた主人公:白羽光穿。父は直後に失踪。光穿が小学3年生になったとき、母の形見のブローチから1枚のメモが見つかる。それはプロビリヤード選手であった父の命が狙われているという、衝撃の内容だった。

父を捜すため、自らもビリヤードを始める光穿。その時、初めて彼が訪れたビリヤード場の息子が、2つ年上の赤道周という設定だ。
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