ルージュはキスのあとで
策略……?



25  策略……?




「真美。お前さ、長谷部京介となんかあったろう?」

「へ!?」



 思わず飛び上がりそうになってしまった。
 正和くんとは、さほど出版社で会っていないはず。
 
 それなのに、どこかでこっそりみていました的な発言をされて、正直動揺した。

 そんな私の様子を見て、正和くんは満足そうに頷いたあと、ニヤリと口角を上げて二度目の爆弾を落とした。



「んで、それにはモデルの秋菜と長谷部の双子の兄、神崎進も関係している」

「な、なんで……」

「違うか?」



 自信満々でそう言い切る正和くんに、私は何もいえなかった。

 どうして? なんで知ってるの?
 どこまで知っているの?

 どうして知っているの!!?

 頭の中でゴチャゴチャと色々なことが行き来していて、落ち着かない。
 考えが纏まらない。

 なんで、そこまで正和くんが知っているというの?

 これはもう、直接正和くんに聞くほうが早い。
 
 もうお手上げだ。


 どうして知っているの? そう心の中で聞きながら、正和くんに視線を向けた。

 すると、正和くんは楽しそうにクスクスと笑うだけで、なかなか答えを教えてはくれない。
 
 本当に楽しそうですね!

 思わずイヤミを言いたくなるほどに、楽しそうな正和くん。

 ふくれっ面で正和くんを再び見つめれば、わかったわかったと苦笑混じりに種明かしをしだした。




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