苦くて甘い~凛子~ 【密フェチ】
苦くて甘い~凛子~

隣でひたすら本読んでる彼氏見てたら、だんだんイライラしてきた。


あたしは勢いよく起き上がって、寝転んでる吉成を見下ろす。


「なぁ」


「……」


「なぁて!!」


大声張り上げたら、やっと本から目ぇ離した。


「何?」


「自分まさか、このままゴロゴロして終わるつもりか?」


意味わからんみたいな顔してこっち見てる吉成。


「今日は一日ごろごろしようって言ったの、凜子でしょ?」


「アホか! ホンマにそういう意味で言うたんちゃうわ!!」


「じゃあどういう意味だったの?」


「……」


呆れてモノが言えんっちゅーのはこういう事を言うんやな。


こいつ、鈍感にも程があるやろっ!!


「もうええわ! 吉成のボケッ!! 甲斐性無し!!!」


あたしはふてくされて、吉成に背中を向けた。
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