君に届くまで~夏空にかけた、夢~
プロローグ
碧空。


雲ひとつない真っ青な夏空に、かけてみたい。


この何の変哲もない人生と、でっかい夢と、かけがえのない友情を。


あと少し、ほんの少し手を伸ばせば掴めそうな、この空に。


かけてみたい。


この、一世一代の恋を。


ラスト・スイング。


「どうしよう! 修司!」


あの日、一緒に見上げた空に全てをかけて打ち上げられたら。


そしたら、届くだろうか。


「あたしもう……修司しか見えないよ!」


この夏空に、届くだろうか。


「じゃあ見てろ! そこで、見てろ! おれのラストスイング」


そしたら、君に。


届くだろうか。




< 1 / 193 >

この作品をシェア

pagetop