教組の花嫁
6話 教祖の大奥
小波は、住居棟の1階の応接室で百合葉と会っていた。
百合葉の申し出の返事をする為に。
「考えてくれた」
百合葉が口を開いた。
「ええ」
小波が同意をした。
「いい返事が聞けそう?」
「ええ。私、千葉様の申し出を受ける事にしました」
「そう、それは良かったわ。じゃ、これからは、2階の客室で生活してもらう事になるけど。大丈夫?」
「構いません」
小波がはっきりと答えた。
「いつから移って来れそう?」
百合葉はこの事実を早く道心に知らせたいと思っていた。
「すぐに準備をします」
「出来るだけ、早くしてね」
「わかりました」
百合葉の着物姿をうっとりと眺めながら、小波が返事をした。