花蓮【完結】
真実を話す覚悟
―――――――――…

学校が終わる時間に俺は麻美ちゃんの学校前に訪れていた。
それで、校門から悠々自適に歩く拓斗を見つけて車に引きずり込んだんだ。


その必死な俺の様子に若干拓斗は引いてたけど。




「ねえ、拓、麻美ちゃん知らない?」


「知らないけど?」


「ええ~?学校は?」


「昨日も今日もいなかったな」


「ええ??携帯連絡取れないしな」


「ああ、じゃあ佐緒里に連絡取るよ」


「…神様!」



俺は拓斗に祈るように手を組んで頼んだ。
いや、懇願?


拓斗は呆れながら携帯で佐緒里ちゃんに連絡を取ってくれていた。




「ああ、佐緒里?」



俺は黙って拓斗と携帯を見つめる。


「麻美いる?
え?あ、うん。
哲ちゃんが話したいって。代わって」


いるの?そこにいるの?

俺はキラキラした目で拓斗を見る。



「え?やだ?」






え?
< 153 / 368 >

この作品をシェア

pagetop