シュガー&スパイス
星屑シュガー
「あー……もう、どうしてこうなっちゃうのかな」
伸ばしかけの前髪をさっと手ですいた。
整えるだけのはずが、切りすぎてしまった。
うう、子供っぽくないかな……。
長い髪はゆるく巻いて、不器用ながらも頑張ってアレンジした。
鏡の前でシフォンのワンピースを整える。
最近のお気に入りのワンピ。
手触りがふわふわしてて大好きなの。
英司の前で着るのは初めてだけど、気に入ってくれるかな?
英司の顔を思い浮かべるだけで、頬が熱くなるのを感じる。
そっと両手で触れた。
久しぶりの英司の家だ。
えへへ……。
「……」
って、呑気にこんなことしてる暇なかったんだ!
用意してあった紙袋とバッグを掴んで、慌ててパンプスに足を突っ込んだ。
外に出ると、すでに空は暗くなっていて、街灯に明かりがともり始めてる。
もう一度、腕時計を確認した。
針はすでに6時をまわろうとしている。