4 X’mas story
エピローグ
貧しい街で、長い年月医者をやっていると、悲しい出来事に何度も出逢わなければならない。

そう思っていた。


しかし、長いこと人生をやっていると、奇跡のような出来事に出逢うこともあるのだと知った。

原因不明とされていた病にかかった少女。

その少女を愛する一人の少年によって、いや親子の奇跡によって、少女の命は救われたのだ。


話を聞いたときは、驚き、感動、歓喜、ある意味畏怖さえ感じてしまうほどの心象だった。

そして薬を投与してから1年。

少女の病状は次第によくなり、今では新薬も開発され、病気の謎も解けてきている。

彼女はまだ床にはいるものの、もう日常生活に戻る障害はほとんどなく、時間の問題であろう段階にきていた。
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