秘密な関係
理性と欲望の狭間で
あの日から私の心は完全に安達くんの手首に捕らわれてしまった

寝ても覚めても思い出すは袖口から覗くあの手首…

正直、同じデパートに勤めていても

ほとんど会うことのない安達くんの顔なんかハッキリと浮かばない

何か無愛想な感じだったよねってくらい

けれど安達くんの手首は目を閉じれば直ぐに鮮明に浮かんでくる

ああ、あの手首に触りたい

そっと頬づりして

軽く握って

そしてー

思いっきり歯形が残るほど噛みつきたい

ダメだダメだ

仕事中だぞ

と気を引き締めているとレジ横の電話がなる

短めのコール音なので内線だ

外線からの電話の場合でも交換台から取り次ぐ事になっているのでほとんど内線呼び出ししかならない
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