久遠の花〜 the story of blood~
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夢で見たそれは、過去の出来事。
けれど、〝私〟はそれを覚えていない。
――いや。正確には覚えているけど、その時の私は、まだ本当の〝私〟じゃない。
あやふやな記憶しか所持せず、本来の目的も果たせない【普通の人間】。
このままが幸せだとわかってる。
騒がない方がいいとわかってる。
この身に宿る血が、力が。
今、時を迎えようとしている。
たとえそれが早いことだとしても――これは、必要なことだから。
私は――〝私〟に終わりを告げる。
―――――――――…
――――――…
―――…
――虚無。
暗くて果てしない。けれど、閉鎖的な冷たい空間。
ゆらゆらと漂う体。どこへ向かうわけでもなく、ただ、流れる葉のように身を任せているだけの世界。
ここは……どこ、だろう。
考えついても、自ら動くという行動はとれなくて――。どこまでも、どこまでも。流れるだけの世界。
?――――止まっ、た?
どれぐらい漂ったのか。静かに、体が停止する感覚がした。
周りを見ても、なにかあるわけじゃない。ぶつかって止まったというわけではなく、その場に停止している、という表現以外、適切な言葉が思いつかない。
夢で見たそれは、過去の出来事。
けれど、〝私〟はそれを覚えていない。
――いや。正確には覚えているけど、その時の私は、まだ本当の〝私〟じゃない。
あやふやな記憶しか所持せず、本来の目的も果たせない【普通の人間】。
このままが幸せだとわかってる。
騒がない方がいいとわかってる。
この身に宿る血が、力が。
今、時を迎えようとしている。
たとえそれが早いことだとしても――これは、必要なことだから。
私は――〝私〟に終わりを告げる。
―――――――――…
――――――…
―――…
――虚無。
暗くて果てしない。けれど、閉鎖的な冷たい空間。
ゆらゆらと漂う体。どこへ向かうわけでもなく、ただ、流れる葉のように身を任せているだけの世界。
ここは……どこ、だろう。
考えついても、自ら動くという行動はとれなくて――。どこまでも、どこまでも。流れるだけの世界。
?――――止まっ、た?
どれぐらい漂ったのか。静かに、体が停止する感覚がした。
周りを見ても、なにかあるわけじゃない。ぶつかって止まったというわけではなく、その場に停止している、という表現以外、適切な言葉が思いつかない。