先生とシンデレラ
ミスコン*第一次審査* 心の準備
先生は静かに引き出しを開けて中からプリントを一枚取り出してそれに眼を落としながら話始めた。

「ミスコンの第一次審査の課題だけど…。」

今の私の気持ちは。

…何でもこい!

そんな感じだった。

「…モデル…だって。」

…?

「…モデル…ですか?」

私がそう問い返すと、

「うん、ウェディングドレスを着てランウェイを一回り歩くらしい。…歩いてる時、後ろの巨大パネルには予め撮っておいた本人の写真を写す。
…一種の職業体験だね。」

モデルの職業体験って。

聞いた事無いですけど。

「…ってか、ランウェイって…?そんなのうちの学校に無いですよね?」

「第二体育館に臨時で作る。」

作るって…。

そこまでするの、ミスコン?

…恐るべし…!

「…写真、羅々が撮って貰うのは金曜日。本番は日曜日だから…本番の二日前だな。撮って貰う時は先生も一緒に行くから。」

「…写真撮りに行く所ってここから、どれくらい時間かかるんですか?」

先生は、ん、とプリントを見て。

「こっから一時間位。」
と言った。

そして、私の方を見て、
「可愛く撮って貰いにいっといで。」
と言った。
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