オオカミ少年。
甘ったるいチョコレート。

「……何?」

「問題です!」

日本史の授業中のことだった。

「今日は何の日でしょう!」


日本史の先生が弱々しいおじいちゃんだからって、この男は大きな声で話しかけてくる。

先生はそんな中田のことなんて気にも留めてないみたいだから、別にいいんだけどさ。


「ホワイトデーでしょ?」

「おっ、正解!」

「うん、だから?」

ノートを書きながら中田の相手をしてると、隣からわざとらしい大きなため息が聞こえてきた。


「平山知らねーの?」

「は?」

「最近のホワイトデーは、女子から男子にチョコあげるんだぞ。」


何それバレンタインと変わらないじゃん。

じゃあもう寧ろどっちかなくせよ(笑)


「へぇ、知らなかった。そうなんだ」

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