とある神官の話
2 ミイラ男
男は大理石が並ぶ床を踏み進んでいた。
久しぶりに戻ると、出迎えた神官が苦笑し「問題発生ですよ」と告げた。持っていた鞄を預けながら溜息。
その問題というのは常日頃発生している気がするのだが、と男は思う。もはや日常茶飯事すぎて常に体の不調を訴えたくなっていた。
ゆったりとした控えめな色の衣を纏ったその男は、その足で呼ばれた主のもとへ向かったいた。
いくつかの扉を抜け、膝をおり頭をさげ待つ。
「―――人払いを」
澄んだ声が響いた。