りある♡プリンス
♡4

お別れなのです。





次の日。



「高橋さん、ちょっと」


「はい…?」




お昼休みに担任に呼び出しを喰らい、職員室に連れて来られた。




先生は机の前に椅子を出し「座って」とあたしを促した。




…あたし、なんかやらかしたっけ?

全く心当たりないんですが。




先生が口を開いた。





「高橋さん、転校するのよね?」


「…え?」




…て、転校ですと?


全くの初耳ですけど!!




「霧沢さんて方から電話が来て、高橋まひるさんは丘の緑高校から霧沢学園に転校しますって」


「はい?!」



なにそれなにそれ?!

知らないんだけどそんなの!!





「…それに、明日で最後だって」


「はい?!?!」




なになに!? どーなってんのこれ!?




「高橋さんは知らされてないの?」



あたしは首を縦にぶんぶんと振る。




「…おかしいわねぇ…。知らせてあって、しかも本人も承諾済みだって聞いたんだけど」




先生、それ真っ赤な嘘です!


あたし全然知りません!!




「んー…じゃあ、その霧沢さんに確認してちょうだい」


「…は、い」





あたしは、重すぎる気分のまま教室に戻った。





…あんにゃろう……


なに勝手に、転校します、なんて言ってるんだ!!





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