副社長は溺愛御曹司
sched.01 ヤマト

08:00 役員朝礼

09:00 全体朝礼

09:30 S3部マーケ会議


11:15 移動開始

12:00 会食@赤坂


13:15 移動開始

13:45 取引先事務所で会議


17:00 帰社予定

19:00 CEOアポ


………



今日のスケジュールを頭に描く。

導線をすべてシミュレートして、彼の思考をトレースする。


慌ただしい会食だから、きっと前後に軽食をとりたがる。

マーケ会議の冒頭を見届けたら、軽くつまめるものを買いに行ってこよう。

いつものように、移動は気楽に電車でしたがるだろうから、会社を出る前にお腹に入れてもらうのがいい。

秋雨前線が活発な今日、折りたたみ傘を持っているか再度確認。


会議資料は、昨日渡した。

会食相手のデータも、もうデスクに置いておいた。


よし、とひとりでうなずく。

あとは、彼の出社を待つばかり。


その時、木目調の扉のエレベータがチンと鳴り、ダークカラーのスーツ姿がガラス張りの秘書室から見えた。


この会社の副社長。

私の仕える、ヴァイス・プレジデント。

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