【完】運命は罠と共に
本音の始まり
「亜美ー、話聞いてよ」
勤務が日勤だったため、仕事終わりに亜美も一緒に私の家に帰宅した。
今日は2月13日。
明日はバレンタインデーという事で、2人一緒にチョコを作る予定だ。
亜美が優に作ってる姿を見せたくないという理由だけで、家に来るのだから困ったものだ。
お泊りして、明日一緒に仕事にも行く予定だ。
亜美の車は病院に置き去りにしてきた。
そのついでに、洋輔さんの事も相談するつもりだった。
「何?何?何かあったの?」
期待に満ちた顔するのやめてくれないかな。
「あったっちゃ、あったかな。洋輔さんに将来のことも考えてるって言われた」
「本当!?やったじゃん。もちろんOKしたんだよね?」
いや、プロポーズとは言ってないから。
そこちゃんと聞いててよね。
「……正式には、またいずれって言ってたから、まだ仮だよ仮」
そう、まだ仮の話。
「それでもほぼプロポーズでしょ?で、奈々はどうするの?」
「それがさ、あれ言ってないんだよね」
あれって趣味の事ね。