月灯りに照らされて
橘　元
ピンポーン　♪

「はい、ただいま」翠が玄関のドアを開けると、そこには意外な人物が

「初めまして、薫の父で橘　元です。」首相が、目の前にいた・・・

「初めまして、小鳥遊　翠です。　どうぞ、お上がりください」

「失礼するよ」と、薫のお父さんは、秘書の川崎さんと共に入ってきた。

「狭いですが、どうぞおかけになってください」

翠は、２人にコーヒーの用意をした。

コーヒーを出すと、

「薫が、随分、君に世話になっているみたいだね。」

「いいえ、私の方こそ、お世話になってます。」

「今日は、少し、君と話がしてみたくて・・。もっとも話が終わったら
　悪いんだが、薫の所へ行ってくれないだろうか！？」

「はい、川崎さんから、そう言われましたので、支度は済んでます。」

「そうか、君に、迷惑かけるね。全く仕方のない息子だよ」

薫の父は、苦笑いしながら、でも心配そうに話した。

「薫さん、どうかされたんですか？」

「薫は、ストレスと食事をきちんと摂らなかったせいで、今日
　倒れたんだよ。で、さっきまで、病院で点滴を受けていて
　今、マンションに置いて来たんだが、なんとまぁー部屋が
　荒れ放題でね・・・。参ったよ」

「えっ、食事を摂ってなかったって・・・・」

翠は、薫の状態を聞き、ショックを受け、涙が出そうだった・・・・。
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