元恋人の甘い痛み【完】
三、冷たい視線
兎に角今は社内を探検してみよう。何が何処にあるのか分からないから見て回ろう。
…と、その前に。
IDカードを受け取る為に秘書室を出た矢先、ドアの前に雷牙が立っていて驚いた。
「…び、びっくりするじゃない」
「コレがないと追い出されるぞ」
「今から貰いに行こうとしていた所よ」
雷牙は手にしたIDカードを此方へと差し出して来た為、それを受け取り首から下げる。
前の会社はここまで大きくなかったから、IDカードがなくとも何とかなったけど、此処はそうは行かないみたいね。