† Lの呪縛 †
第二話*孤独、そして友達
カーテンの隙間から零れる光。


音のない空間。


ベッドに腰掛け、無表情のまま自分の足元を見つめているオリヴィア。


野盗に襲われた日から数日が過ぎた。


オリヴィアの傷はあっという間に癒え、今では傷一つない綺麗な体だ。


だが頭の中は酷く混乱し、心には深い傷をおい、未だ癒えないままでいる。


ーコンコンコン。



「…………」



ドアを叩く音は確かにオリヴィアの耳に届いている筈なのに、オリヴィアは足元に一点集中したまま反応を示さない。



「失礼するよ」



返事を待つ事なくドアが開き、ダグラスとノエルが部屋へ足を踏み入れた。


ノエルはオリヴィアの姿に悲しそうに顔を歪ませた。


二人はベッド脇の椅子を手に取り、オリヴィアの居るベッドへ近付け腰を下ろした。


オリヴィアは二人を見ようとしない。


まるで全ての事を拒絶しているかの様な態度は、自分自身さえも拒絶しているかの様に見える。



「オリヴィア、今日もまだ何も食べていないそうじゃないか。 少しは食べなければ体に毒だ。 テラスに出てお茶をしないかい?」

「…………」



レッドフォード家に連れ帰った時よりも悪い状況に、ダグラスは困り果てていた。





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