幸せの掴み方
3年後~
あの日、菜々美が生まれてから、早いもので3年が経とうとしていた。

柚葉と圭祐の生活は、菜々美が生まれたことで、賑やかになり、、
圭祐は、その賑やかさが嬉しくて、つい、自分の子供時代と比較しながらも
菜々美と柚葉を大切にしたいと、常に考えていた。

母、加奈子は昨年、信二が喜和子と離婚したため、漸く信二と籍を入れ、
加奈子は晴れて信二の妻になることが出来た・・・・

そして加奈子と信二の結婚と同時に、信二は圭祐を息子と公表し、
圭祐は、今までの成果も認められて、専務へと昇格したが、
これまで以上に仕事に励まなくてはならない状況に、
圭祐は、ホトホト疲れていた。

菜々美が生まれてから圭祐は、休日をしっかり取るようになっていたが
昨年の昇格で、また休みなしの生活を送っている。

菜々美が生まれてからも、相楽の家とはギクシャクしており、柚葉は、
それでもと思い、菜々美の成長を、年賀状や暑中見舞いなど、季節ごとの
挨拶に、菜々美の写真を使って葉書を作り、相楽へ送っていた。

菜々美は、圭祐に良く似ており、親の柚葉から見ても可愛く、最近では
美代子から『菜々美をモデルに』と・・・・・

美代子の会社の子供服のモデルに、菜々美を使いたいと言われ、
圭祐に相談すると、菜々美が嫌がらなければ!と、許可を得たので、
今、少しずつ仕事をしてる。

柚葉は、家事や圭祐の体調管理に加え、菜々美のモデルの仕事の付き添い
が増え、日々、忙しく生活している・・・・


「ただいま・・・・」

「おかえりなさい」「パパ・・・おきゃえりなさい」

圭祐は、毎日柚葉と菜々美の笑顔に出迎えられると、
疲れが吹き飛ぶようだった。

「今日は、早かったのね!?」

「あぁー、偶には早く帰してもらわない、菜々美に忘れられそうだよ!?
 なぁー、菜々美!!お風呂に入ろうか!?」

「パパ~大ちゅき」

と、菜々美は、圭祐が早く帰って来たのが嬉しいらしく、圭祐にくっついて
離れない・・・・・

そんな様子を、柚葉は、複雑な気持ちで眺めていた。
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