復讐ストーカーゲーム1
秋雄の婚約者
「ただいまーごめん! 遅くなった!」


玄関で大声を出しながら、靴を脱ぐ。急いで走ったものだから息が切れ切れだ。ふと下を見ると、女物の白いハイヒールが置かれていた。


――やべっ! 来てるじゃん! 大声出さなきゃ良かった!


玄関脇の、壁面に備え付けてある金色の淵の丸い鏡で、慌てて髪型を整えた。


――バッチリいけてるよな? 


ニヤーっと笑顔を作り、可愛い信介に準備万端だ。


「おーい、早く来いよ。遅いぞ! 信介」


「分かったよ、今行くから兄貴」


――うるせーな。俺にも心の準備ってもんがあるんだよ! 


なんだか緊張する……いや、絶対にドブスなハズだ! プレッシャーを感じる必要はない。逆にこんな気持ちは、勿体無いくらいだ。
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