16の月-過去に戻れたら‥【完結】
高宮さんの存在


**************

今日は土曜で小学生の家庭教師のアルバイトの日だ。


いくら馬鹿な俺にだって小学生の講師くらい出来る。
中野も一応同じバイトをしていた。


隣の部屋の中野を起こしに行く。



昨夜は帰ったのだろうか…

まあ、どうでもいいけど‥。


壊れそうなドアを叩く。


返事はない。





ドアノブを回すと、玄関に中野が寝ていた‥


「…なに~美優ちゃん‥」

まだ酔いが覚めていないのか、それとも寝ぼけているのか解らない
中野のオデコをピンと弾いた。



「イデデデ…」
中野がおでこを擦りながら目を覚ました。


「お、おう、修吾。美優ちゃんは?」


辺りをキョロキョロと見渡す中野をそのまま引っ張り出し、
バイト先へと向かった。



「修吾、俺、やべーわ。てか、俺ちゃんと話せてる?」
2日酔いでグダグダの中野。


「どっちみち、お前普段でも何話してるかよく解らないから同じだろ」


「えー酷くない?ねえ、酷くない??」


思いっきり、酒臭い中野はまだ気分もいいみたいだ。




無理無理引っ張る形で、家庭教師先の家へ着いた。

玄関先で時計を見る。

< 64 / 205 >

この作品をシェア

pagetop