不機嫌な果実
3.不機嫌王子×不機嫌彼女=磁石?!
【桃子side】

…不覚にも、凌也の腕の中で、

泣きじゃくってしまった。

自分から話しかけるなとか言ったのに、

助けてくれた凌也。

そんな凌也の行動が嬉しくて、

年下のくせに、でも優しく私を抱きしめてくれて、

安心して・・・

・・・

昔はいつも逆だったのに。

泣いてる凌也を、私があやしてる感じで、

私が凌也を守ってるような気分だった。

・・・

凌也も、もう高2だもんね。

大人になったんだもんね?

凌也がいなくなってしばらくして、

私も屋上を下りた。

・・・

教室にはもう人けがなくて、

私も帰る事に。

玄関で靴を履いていると、

「まだ、学校いたんだ?」

そう言って微笑む恭治がそこにいた。

「…あれ、部活は?」

「今から行くとこ・‥ってか、泣いた?」

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