静かな涙【完】
悲しみ
ゆっくりとゆっくりとお姉ちゃんと浩司さんの姿が近づいて来る…



お姉ちゃんの笑顔が眩しくて…




お姉ちゃんは、本当に浩司さんを愛してしまったのだと…




愛しそうに、浩司さんを見つめるお姉ちゃんを見てそう思った。




『あ~楽しかった』




『お帰り。お姉ちゃん』



『ただいま~』





お姉ちゃんと浩司さんがボートから降りて来た…



浩司さんがお姉ちゃんを抱き抱えている…




お姉ちゃんも浩司さんの肩に手を回して、
浩司さんを上目遣いで見つめていた…









わかっていても…




やっぱり、こんな姿は見たくないよね…





私は、反射的に目を反らしてしまった……








いつまで…




いつまで…




こんな気持ちで居なきゃ行けないのだろう…




私は何度も自問自答しながら…




答えの出ない答えを求めていた…

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