彼と彼女と彼の事情
〈14〉葛藤
数日後―― 



いつもと同じように病室へ向かうと……



胸の大きく開いたニットにデニムのミニスカートを合わせた女の子が病室から出てきた。 



擦れ違いざまに目が合い、軽くお辞儀して、通り過ぎようとしたときだった。 


「ねぇ、もしかして、あんたが森下奈緒さん?」



「えっ?…はい…あの……?」



「あんた、何、彼女ヅラしてんの?」



「……えっ?」




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