もっと傷つけばいい
さよなら
あたしよりも7歳年上の姉は病気がち、だけど美人な人だった。

ちょっと風邪をひけば、最低1週間は寝込んでいなければならない。

包丁で指に掠り傷を作れば血は止まらなくて流血事件。

そんな姉を、両親はいつも過保護かと思いたくなるくらいに構っていた。

あたしは寂しかった。

両親はいつも姉ばっかり見ていた。

あたしは両親に見て欲しかったから、頑張った。

勉強も、運動も、全部頑張った。

それでも、両親があたしを見てくれることはなかった。
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