ドS×刑事
メンバー振り分け戦


『お、おはようございます…!』


朝、やっぱりここのドアの前だと異常に緊張した

なんて挨拶しようとか、仕事はどうなんだろうとか…

昨日の夜、考えたりして、あまり眠れなかった




『あっ!おっはよー!恵美ちゃーーーーん!』

ドアを開けると、いきなり何かが突っ込んできた

『うわぁっ!?』

そのまま倒れそうになるが、なんとか体勢を保つ


『今日も可愛いわね~♪もう恵美ちゃんにメロッメロよぉ!』

月曜日の朝……と、いえばあまり気分が上がらないのに、明日香さんは昨日以上にテンションが高かった。

『あ……おはようございます。』


『おはよー♪恵美ちゃんっ!』

部屋の奥から、神谷さんと思われる人の声がした

挨拶を返そうと部屋を覗いた時だった



『あいたっ!!!!』


勢い良く顔をヒョコっと出すと、ガコンっと固い何かにぶつかった

『~っ!!』

強く打った額をさすっていると、上から突き刺さるような視線が浴びせられた。


『あ……そ、その……お、おはようございます』


目の前に立っていたのは、昨日とまったく変わらない無表情の、日下部さん

どうやら、目の前のコピー機に頭をぶつけたようだ

なんともドジな失敗をしてしまったんだろう

きっと呆れてるだろうと思いながら、額を擦っていると


『…コピー機に頭をぶつけるバカがどこにいる。』

なんて上から言われてしまった

『す、すみませぇん…』

俯いていると、急に顔を上げられた。







ーーーーーそう


彼に額に触れられているのだ




『っ…!?あ……のぅ……』


あまりに急な出来事に、頭が付いてってない

混乱していると、声が降ってくる

『……どんだけ強く打ってるんだ。腫れてきてるぞ』

と、言われた。



『~っ!?』

きゃあぁぁぁと心の中で悲鳴をあげた


だって私

こーいう経験は

全くといっていいほどないんですもの。

まぁ、この人生=21年=彼氏いない歴





と、いうわけでこのような甘酸っぱい(?)経験をしたことがない私にとって


美青年の至近距離=刺激が強い


と、いう計算になった。


『~っ!だ、大丈夫であります!平気です!平気です!』

慌てて離れた。

じゃなければ、心臓が持ちそうもないのだ。


『……そうか。』


そう言って、束にした書類をまとめて、スタスタ歩いていってしまった日下部さん

な、なんという美青年……!

と、つくづく思っていた


『ったく……相変わらず可愛いげないわねぇ』

大丈夫ー?と、私の額を擦ってくれる明日香さん

ホントに美形揃いだ。


自分はここには不似合いだなー……


『おっはよー恵美ちゃーん!早かったねぇー!』


中に入ると、机にある書類とにらめっこをしている神谷さんがいた。

私の顔を見ると、無邪気に微笑んだ

『お、おはようございます!』


『おはよぉーさぁん!恵美ちゃんの机は明日香の隣だよ!』



あ、明日香さんの隣ー!

嬉しい……!


『ほ、ホントですかぁ…!』

嬉しさにうち震えていた私



『明日香さんの隣って…すっごく嬉しいです!よろしくお願いします…!』

思わずペコリと礼をした私

『っく…!』

『め、恵美ちゃぁん…』

何故か震え始める二人

『…??』





(絶対無自覚よ。あれは)

(やばいな、これは。俺一目惚れちゃったぜー!)


なにやらコソコソと話し込んでいた。

内容はよく聞こえていなかったが


『くだらない事話してないでさっさと仕事しろ。今日はメンバー分けをするんだろう?』

横から日下部さんがはいってきて、ポカンと書類で神谷さんを叩いた

そうすると、一度文句を言った神谷さんだったが、睨まれることで、子犬のように項垂れた


『…っちぇーー。もう仕事ー?めんど
っちぃねぇー』

『はぁ…。こんなんが班長で本当にいいのか。不安を感じざる得ないぞ』

『あ!それは聞き捨てならないぞ直樹!こんなんとはなんだよ!こんなんとは!』

直樹さんが仲裁(?)に入ったと思えば、また神谷さんと喧嘩になっちゃう

本当に、ここは明るい場所

居心地いーなぁ



『...そーこーしてるうちに二班に成績抜かれたりして。』


ピクリ


ぼそっと相沢さんが、椅子に座りながら呟いた。


すると、神谷さんと明日香さんが急に立ち上がった



『こーしちゃいられないわ。さっさと仕事始めるわよ!』

『あんな二班ごときに負けられるかぁ!!』





『………二班?』



こてんと首を傾げる



『ここ、捜査一課には、一から十班までの班があって、数字が小さければ小さいほど成績が高い仕組みだ』


『へー……』


お菓子を頬張りながら、私に説明してくれる相沢さん。


『最近ちょっと成績上がってるからって調子乗りすぎなのよ!』


『あんな奴等に抜かされてたまるかっ!』


目に火をつけるような勢いの二人を、私はただ眺めることしかできなかった



『……ゴホン!ちょっと話が逸れたが、さっそく今期のペア決めを行う!』




『ペア……決め?』


それもまた聞いたことがなかった



説明を聞くと、

ようするにこう言うことだった





この班では、それぞれの期によって

3人グループと、2人グループで分かれるらしい


それで、それぞれの仕事の役割もかわるらしい。



『じゃあ、さっそく始めよう!』


そう言うと、みんな腕捲りをし始めた


『え?え?』

混乱する私に、明日香さんは真顔で言ってきた



『ここの班はね、何事も正当にじゃんけんかグッチーで決めるのよ』


(……変わったルールだな……)


『よしいくぞー!今回はグッチーだ!グッチーーーーーーーー!』




『ほっ!』

『……』

『頼むぞー』

『そりゃあっ!』

『それっ!』






それぞれが出したのはーーーーー











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