恋の魔法と甘い罠
秘めた想い
.


残業をしていたら、いつの間にか人がちらほらしかいなくなっていて、息抜きに何か飲もうと席を立った。


誰もいない休憩室の自販機でミルクティーを買って椅子に座る。


プルタブを開けてゴクゴクと喉に流し込んだ。



「おいしー」



思わず頬が緩む。


疲れているときには、甘いものが一番だ。


ぼーっと目の前の自販機を見ながら少しずつ飲んでいると、



「玲夢」



後ろから声をかけられた。


低いのによく通る声。


あたしはこの声の正体を知っている。


ゆっくり振り返ると、そこにいたのは予想通り



「慎也さん」


「残業か?」


「はい」
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