§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)
§ final impression

Sweet♡な…


「あ~…行っちゃったわねぇ…」

スカイデッキで直の乗ったニューヨーク行の飛行機を
眺めながら
渡部さんが言った


「ホントについて行かなくて良かったの?」


「えぇ…

だって、海外に行くことは、直の夢だったんですよね

人生一度きりですもん

したいことしなきゃ…

私は、それを応援します


それに…」



左手薬指に光るものを眺めた



出発ロビーで、直がプレゼントしてくれた



「咲和に、虫が付かないように…」


中央に私の誕生石、周りにはダイヤモンドが散りばめられたリング


「だったら、直もしてよ」


「うん、ほら…」


私のほど石はついていないけど、シンプルなリングに小さなダイヤと
直の誕生石が埋め込まれてるリング


「これで、問題ないだろ?」


「オッケーです」



そんなやりとりを思い出してた


「んもー、咲和ちゃんたら、ニヤニヤしないのぉー」


「えへへ…」


「さ、行きましょうか」


「はい」



「あ、そうそう、
コンテスト、残念だったわねぇ…

主催者の人にあとで点数きいたら、
トップと4点差だったそうよー

惜しかったわねぇ

でも、あのスウィーツ!!全員が満点つけたそうよ!


審査員の中に、シェ・カワバタの川端幸哉がいたでしょ?

彼が、お店で売りたい、って
申し出てたらしいわよー

どぉするのぉ?咲和ちゃん?」


「えー、あれは、誰にも譲りませんよぉー

大事な、大事なスウィーツなんですからねー」


「えー、もったいないわよぉー」


もったいないもったいないと喚く渡部さんを無視して
スタスタと歩き空港を跡にした



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