† Lの呪縛 †
第五話*再会
最後の授業のベルが校舎内に鳴り渡り、各々が動き始める。



「ルーズヴェルト君は居ますか」

「はい」



先生に名前を呼ばれ、アレンは直ぐに返事をした。


本を持ち、先生の元へ歩み寄る。



「何でしょうか」

「お客様がおみえですよ」

「私にですか?」

「はい」



アレンは首を傾げた。


お客様という事は家族ではないだろうと考えたアレンだが、客が誰なのか検討もつかなかった。


取り敢えずは先生の後ろに続き、生徒たちで賑わう廊下を歩いた。



「こちらでお待ちです」



来賓用の部屋の前で立ち止まった。



「ありがとうございます」



アレンがそう言うと、先生は笑顔で立ち去った。


ーコンコンコン。


ドアをノックし終え、アレンはドアを開け中に入った。



「っ……」



ソファーに腰掛けている人物を見て、アレンは息を飲んだ。



「突然訪ねて来てしまってすまないね」



足を組み、優雅に座っているダグラスが笑顔を零した。



「少し話がしたくてね……掛けてもらえるかな?」

「…………」



アレンは後ろ手でドアを閉め、覚悟を決めソファーに座った。





< 146 / 260 >

この作品をシェア

pagetop