先天性マイノリティ
Minority-2.衝動と本質



(SIDE、Mei)




好きな人がいる。

他人に対して滅多に興味を抱かない私が彼の何処に惹かれたのか、それは今でもわからない。

永劫に叶わない恋。

…それで構わなかった。

心臓の根元に封印して墓場まで持っていこうと決めていた。


彼の幸せが私の幸福。

これが嘘偽りのない私のすべてだ。

今時流行らない犠牲的精神を伴う自己満足な心理状態。

性的欲求を微塵も孕まない純度を感す想いは私の中の聖域で今日も息づいている。

未開の森の奥の神殿のような、生命の誕生する銀河系宇宙の鼓動にも似たリズムを奏でながら。



親友が死んだ。

葬儀に行った日、狂ったように無我夢中で怒鳴りつけた。

あんたなに死んでるんだよって、泣きながら責めた。

死を選ぶ無責任さが許せなかった。

勝手に命を絶った俺様エゴイストの名は、ウエダコウノスケ。

──私の対の片割れであり、好きな人の恋人だった男。




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