君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
友人のピンチ、私はどうしたらいいですか?
「圭吾さん...。私は一体どうすればいいんでしょうか」


朝の中山さんからの衝撃発言を聞いたこの日は、さすがに仕事に集中出来なかった。帰宅しても心の中は常にモヤモヤした状態のまま。
このモヤモヤを誰かに聞いて欲しくて、私は圭吾さんに話していた。
...写真の中の圭吾さんに。


「橘さんや藤原さんに言った方がいいんでしょうか...?」


でも中山さんは藤原さんが好きなだけなのよね。
好きでいる気持ちを他人に止める権利なんてない。だけど、中山さんの言い方からして明らかに藤原さんを橘さんから奪いますって感じだったし...。


「本当、どうしたらいいんだろう」


人を好きになる気持ちは誰にでもあることだよ?
もしかしたら、中山さんみたいに既婚者の男性を好きになっちゃうことだってあるかもしれない。
世の中には不倫や略奪婚なんてことは、日常みたいに溢れている。それでも幸せになった人だって沢山いる。
だけど、これが友人だったら黙っているわけにはいかないわよね?
だって私は橘さんがどれだけ頑張って片想いしてきたのか。今の幸せのためにどれだけ努力してきたのか。
近くで見てきて分かっているから。
そして、今どれだけ幸せなのかってことも。
そんな橘さんの幸せを中山さんには申し訳ないけど、壊してほしくない。


でも、中山さんの気持ちを勝手に他人に話すわけにもいかないし...。


「さっきからこの繰り返しだな」


どんなに考えても考えても答えが出ない問題みたい。


そしてさっきから何度も圭吾さんに電話したい衝動にかわれているんだけど、時差があるんですもの。
こっちは夜ってことは向こうは朝。朝の忙しい時間に電話するわけにはいかない。


「...そばにいてくれたらいいのに」


無意識に出た言葉。
だけどこれが私の本音。会いたい時にすぐ会えないってやっぱり寂しいし、辛い。


「次はいつ帰ってくるんですか?...圭吾さん」


また持っていた写真に話し掛ける。


最近会ったばかりなのに、もう会いたい。会って抱き締めてもらって『大丈夫だよ』って言ってもらいたいな。


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「はい、櫻田さん」


「...なんですか?これは」

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