天国のマシュに会いたい
春が近づく直前、マシュが夜になって吐いたことがあった。

それも激しく吐き、何度も何度も吐き、そのうちに僅かに胃液が出てくるまで吐き続け、最後は何も出てこないのに、えずいている。

私は少々大きくなったとはいえ、まだ子供のマシュが心配である。

明日の朝まで命が持つのかと心配しながら、翌朝、起きてリビングに来ると、いつものようにドアの前に立って迎えることもなく、まだ調子が悪いのか寝ていたので、動物病院が開くのを待ちかねて連れて行った。

しかし、どこにも異常は無かった。

おそらく、何か食べてはいけない物を口にしたのであろうと言われた。

そういえばマシュは何ででも、よく遊ぶ。

たとえば耳掻きでも、孫の手でも、動かすと絶対に反応して遊ぶ。

思い出すと、自分で化学雑巾を見つけて遊んでいることがあったので、それをかじって食べたのかも知れない。

他に理由が考えられなかったのである。

そこで化学雑巾を使用するのをやめてみたところ、その後は一度も吐くことは無かった。




三月になると日中の時間が徐々に長くなってくる。

中国人の女の子は最近は友達が増えたのか、あまり来なくなった。
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