君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
「俺の名前は、副社長じゃない」
「きゃー!けっ、圭吾さん大変です!!大きい方でした!」


「まっ、待て!今おしりふき持ってくるから」


「ぎゃー!!」


自宅謹慎六日目。なぜこんな事態になっているかと言うと、それは今朝早く私がまだ夢の中にいた時にまで遡る。


昨日は久し振りに圭吾さんと甘い夜を過ごして。朝になってもなかなか起きられずにいたんだけど、突然聞こえてきた圭吾さんの声によって目が覚めた。


「バカッ!そんな急に言われても困るに決まってるだろ!?」


「まーまー。夕方にはちゃんと引き取りに来るから。可愛いだろ?俺の息子」


「そういう問題じゃないだろ!」


...ん?この声って...。
寝惚けたまま起き上がり、玄関の方から聞こえてくる声に耳を傾ける。


「とにかく頼むよ。たまには亜希子と恋人デートしたいし。せっかく有給取れたしさ。いいじゃん。東野達も未来に向けての練習にもなるし」


「いいように話をまとめるな!」


「ぎゃー!!」


「ほーら!東野が大きな声出すから光太が怖がってるじゃねーか。光太ー!このおじさん、怖くないから大丈夫だよー」


「おじさん...」


なんだ。藤原さんと光太君か。


まだまだ眠り足りなくて布団の中へ逆戻り。


....ん?ちょっと待って。


「藤原さんと光太君!?」


眠気も一気にぶっ飛び、ベッドから飛び起きる。


「あっ!!」


そうだった、私今全裸...。
こんな格好じゃ部屋から出て行けない。

ベッド下に落ちていた洋服を慌ててひろう。


「あっ、櫻田起きたみたいだからもう行くな。荷物ここに置いておくから後は頼むよ」


「あっ、おい!まだ話は終わってないだろ!?」


「じゃあねー」


ようやく着替え終わり軽く髪をとかしながら部屋を出る。


「圭吾さん!?」


「菜々子...」


玄関へ行くと、そこには放心状態の圭吾さんと、そんな圭吾さんに抱かれながら大泣きしている光太君だけ。





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