もう一度抱いて
音楽をやる理由
ペンションの仕事は忙しいものの、私達は次第にこの生活に慣れてきていた。


夏休みのせいかお客様が多く、スタジオがなかなか空かなくて、練習はまだ一度も出来ていないのだけれど。


「キョウセイ。お前、ここ数日夜中に部屋にいないけど、どこに行ってんだ?」


みんなでお昼をいただいている時、小山君がキョウセイに尋ねた。


「あぁ…、ちょっとスタジオに」


スタジオ?


キョウセイってば、夜中にスタジオに入ってるの?


「マジかー。お前タフだなー。
あ、もしかして曲作り?」


「うん。
そろそろ新曲欲しいだろ?
今2曲仕上がってる」


「ほんま?
あー、はよスタジオ入りたいなー」


「明日は一部屋スタジオが空いてるから、明日練習しようよ」


小山君の言葉に、みんなが笑顔になった。
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