甘いのくださいっ!*香澄編追加しました*
麩まんじゅう
「それで二股は順調なの?」


「ちょ、ちょっと止めてよ、
その言い方。みんな見てるじゃない。」


混み合う社食にて
日替わり定食を食べていたら、
香澄が遅れてやって来た。


余計な一言を言いながら……。


「あら、 じゃあ
何て言えばいいのかしら?
一週間毎に良い男と付き合えるシステム?
それともーーー」


「もう、いいってばっ!」


必死になって言う私を見て
満足したのか
香澄は漸く、私の向かいの席に座り
定食についているお味噌汁に
口をつけた。


そしてーーー


「ごめん、ごめん。
夕べ、ちょっと彼とやりあっちゃって、
八つ当たりよ。」


と、
また何でもないような顔をして、
小鉢の煮物にグサッと
箸を刺す姿を見ると
八つ当たりだろうが
百当たりだろうが
黙って受け入れようと思えた。


「仲直りは出来そうなの?」


と、
様子を見ながら恐る恐る
聞いてみる。


「仲直り?
ああ、永遠にないわよ。
てゆーか、赤の他人以下の
関係になったし、
もうどうでもいい、存在?」


と、
またも小鉢の煮物にグサッと
箸を入れた。


うひゃぁ
これは相当荒れてるなぁ。
理由聞かない方がいいかも……。
取り敢えず、
ササッと食べて櫻やに甘いもの
調達に行くかな……。
















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