愛し*愛しの旦那サマ。
ナナメ前の腹黒さん遭遇


『一生、離さないって言ったのに……!』

『もう君に感情がないんだ……』

『ひどいっ!私よりもあの若い女の方がいいのね!どうしてもっと早く言ってくれなかったのっ?!』

『ごめん……傷つけたくなかった』

『もういいわ……でも』

『……』


『覚悟してなさいよっ!』


チャララーン~♪ 続く。


以上、昼ドラよりの会話でした。




四月、祝日の朝。

臣くんがまだ寝ている隙に早朝から、HDDに溜め込んでいた昼ドラ鑑賞なうの幸代です。      


「まったく、あの男がはっきりしないのが一番悪いのよね~見てて腹立つわ~」


泥沼不倫ものの昼ドラでした。


あと一本分未視聴があるけど、そろそろ生きる芸術の臣くんを鑑賞しにいく時間なのでここまでで。

と、ピッと、画面を切り替える。

と、


『俳優の××さんが、先週、一部週刊誌で報道されたグラビア巨乳アイドルの××さんとの不倫関係を認めました。現在、××さんは妻である元モデルAさんと離婚調停中であり……』


朝のワイドショーより。


「へぇ~、あの俳優さんがそんなコトになってたなんて意外だわ~でも、マスコミもそっとしておいてあげればいいのに~」


これまた不倫絡みの報道でした。


「はぁ~、不倫、離婚、巨乳って朝から私にはカンにさわる話だわー~」

「だったら見るなよ」

「もー、昼ドラ、ワイドショーは何だかんだで気づくと見ちゃうの!……って」


パッと、テレビから視線を変えると、


「臣くんっ……!」



< 241 / 498 >

この作品をシェア

pagetop